写真を見ていた山根京子の目には涙が浮かんでいた。 そして、その涙ぐんだ声で出た言葉が、 「この人は白井誠です。私の元彼です。。。」 私は驚きの連続に言葉を失った。 それを悟ったか悟らなかったかわからないが、和田社長が話を […]
北海道は夏でも涼しいというイメージがあったが、着いてみると横浜とほとんど変わらず、いや、逆に横浜よりも暑く感じた。 着いて早々山根京子と二人で空港からタクシーに乗り、まずは不動産屋へ向かった。 予算もあまりないのはわかっ […]
彼女が帰った後、3杯目のコーヒーを入れ、5本目のタバコを付け、(どこからてをつけようか…)としばらく考えていた。 まずは、すべてに繋がっている山根武が勤めていた不動産屋にいろいろと聞いてみようと思い、彼女の書いた依頼書の […]
タバコの煙が充満した事務所の中で、2杯目のコーヒーを入れるため腰を上げると、彼女はそのまま話を続けた。 「その後1か月くらい兄とは全く連絡が取れなかったんですが、突然兄から電話があって、『大きな仕事がうまくいってまとまっ […]
「ピッピッピッ ピッピッピッ ピッピッピッ … 」 携帯のアラーム音が狭い部屋に響きわたった。 レースのカーテンから漏れる明るい陽射しに小鳥のさえずりが聞こえ、さわやかな朝… とは縁遠く、締め切ったカーテンに薄暗い部屋、 […]